贈与税のしくみ

贈与税はどれくらいかかるの?

18歳*以上の子や孫への贈与は通常より低い税率になります。

贈与税はどれくらいかかるの?
贈与税はどれくらいかかるの?

POINT


贈与税の税率は、その年の1月1日において18歳*以上の者が祖父母や両親(直系尊属)から贈与を受けた場合と、それ以外の通常の場合に区別されます。
通常の贈与の場合とは、両親が18歳*未満の子供に贈与する場合、祖父母が18歳*未満の孫に贈与する場合、配偶者へ贈与する場合、おじおばから贈与を受ける場合などが該当します。

*令和4年3月31日以前の贈与については、「18歳」は「20歳」です。

贈与税の計算のしかた

1月1日から12月31日までの1年間に個人から贈与を受けた財産の価額の合計額を「課税価格」として計算します。

贈与税の計算のしかた

両親が18歳*以上の子供に贈与する場合や祖父母が18歳*以上の孫に贈与する場合と、通常の贈与の場合とで、速算表(税率表による税額計算を簡便にしたものが区別されています。)

その年の1月1日において18歳*以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合

贈与税の速算表

基礎控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-円
200万円超 400万円以下15%10万円
400万円超 600万円以下20%30万円
600万円超 1,000万円以下30%90万円
1,000万円超 1,500万円以下40%190万円
1,500万円超 3,000万円以下45%265万円
3,000万円超 4,500万円以下50%415万円
4,500万円超
55%640万円

*令和4年3月31日以前の贈与については「18歳」は「20歳」です。

通常の贈与の場合

贈与税の速算表

基礎控除・配偶者控除後の課税価格税率控除額
200万円以下10%-円
200万円超 300万円以下15%10万円
300万円超 400万円以下20%25万円
400万円超 600万円以下30%65万円
600万円超 1,000万円以下40%125万円
1,000万円超 1,500万円以下45%175万円
1,500万円超 3,000万円以下50%250万円
3,000万円超
55%400万円

計算例

孫が令和4年4月に、祖父から500万円、祖母から100万円もらうと、贈与税は

孫が18歳以上の場合
(直系尊属から18歳以上の者への贈与)

課税価格(500万円+100万円)-基礎控除110万円=課税対象額490万円

課税対象額490万円×20%-控除額30万円=贈与税額68万円


孫が18歳未満の場合
(通常の贈与)

課税価格(500万円+100万円)-基礎控除110万円=課税対象額490万円

課税対象額490万円×30%-控除額65万円=贈与税額82万円


住宅取得資金贈与の非課税措置ってどんなもの?

若い世代へ生前贈与して住宅取得を促進させる制度です。

住宅取得資金贈与の非課税措置ってどんなもの?
住宅取得資金贈与の非課税措置ってどんなもの?

POINT


親など直系尊属から住宅の取得やリフォーム工事のための資金(お金)の贈与を受けた場合、一定の金額まで贈与税がかかりません。
なお、省エネ住宅・耐震住宅・バリアフリー住宅などの良質な住宅の場合は、一般住宅よりも非課税枠が拡大されています。
令和4年度税制改正により、令和5年12月31日まで2年間延長されました。


非課税限度額

令和4年度税制改正により、令和4年1月以後の贈与に係る非課税限度額は、資金の贈与を受けて取得等した住宅の区分に応じて下表の改正後の金額となりました。

耐震住宅、省エネ住宅又はバリアフリー住宅

改正前

令和2年4月~令和3年12月

(住宅所得に係る契約締結日)

消費税率10%左記以外(注)
1,500万円1,000万円
改正後

令和4年1月~令和5年12月

(契約締結時期にかかわらず)

1,000万円

一般住宅

改正前

令和2年4月~令和3年12月

(住宅所得に係る契約締結日)

消費税率10%左記以外(注)
1,000万円500万円
改正後

令和4年1月~令和5年12月

(契約締結時期にかかわらず)

500万円

(注)
消費税率8%の適用を受けて住宅を取得した場合のほか、個人間売買により中古住宅を取得した場合を指します。


適用にあたって

通常、贈与を受けてから3年以内に贈与した人が亡くなった場合には、贈与された金額は相続税の対象になります。しかし、この非課税措置で非課税になった金額には、相続財産への加算はありません。


贈与者直系尊属(父、母、祖父、祖母など)
受贈者子供、孫など その年の1月1日現在18歳以上(注1)
受贈者の所得制限合計所得金額2,000万円以下(注2)
資金の使途受贈者の居住の用に供する次のような取得又は増改築の費用
①住宅の新築 ②新築住宅の購入 ③一定の中古住宅の購入
④住宅と同時に取得する土地又は借地権
⑤住宅の増改築(耐震、省エネ、バリアフリー、給排水管等のリフォームを含む)
⑥先行して取得する敷地の資金
居住等要件原則、贈与年の翌年3月15日までに新築又は取得したうえで居住(注4)
適用期限令和5年12月31日まで

(注1)
令和4年度の税制改正により、受贈者の年齢要件が「18歳以上」に引き下げられました(令和4年3月31日以前の贈与については「20歳以上」)。

(注2)
合計所得金額の計算には、次の点に注意してください。
・所得金額調整控除は給与所得から控除
・分離課税される配当所得、利子所得は除外
・分離課税される退職所得は加算
・譲渡所得の特別控除(居住用財産の3,000万円控除など)を差し引く前の金額

(注3)
新築・増改築等の住宅には一定の要件あり。例えば、新築・増改築の場合は床面積が50㎡以上240㎡以下(令和3年1月1日以後の贈与については、受贈者の合計所得金額が1,000万円以下の場合、この床面積要件の下額が「40㎡以上」)。

(注4)
災害に基因するやむを得ない事情があった場合、住宅への居住要件が緩和されます。


相続時精算課税制度ってどんなしくみ?

2500万円まで贈与税は無税で贈与できます。

相続時精算課税制度ってどんなしくみ?
相続時精算課税制度ってどんなしくみ?

POINT


相続時精算課税制度とは、生前の贈与を促進するため贈与時には2,500万円を上限として贈与税を課税しないで、亡くなった時に相続税として課税する制度です。
生前に多くの贈与ができますが、相続時、相続財産に贈与財産を加算して、相続税額を計算します。


精算課税制度のしくみ

  1. 60歳以上(注1)(注2)の親や祖父母から18歳以上(注1)(注3)の子(代襲相続人を含む)や孫が財産の贈与を受けるときに選択できる(基礎控除110万円の暦年贈与と選択適用)。
  2. 財産の贈与を受けた子・孫ごとに、また、父・母・祖父・祖母ごとに選択できる。
  3. 選択する場合は、最初の贈与の際の贈与税申告書に相続時精算課税制度を選択する旨の提出書を添付する。
  4. 選択した年以後、相続時まで継続して適用される。
  5. 贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はない。
  6. 複数年にわたる父・母・祖父・祖母からの贈与財産の合計額が贈与者1人につき2,500万円までは贈与税はかからない。
  7. 贈与財産の合計額が2,500万円を超えると、上回る金額に対し一律20%の贈与税がかかる。
  8. 相続時に相続財産に贈与財産を加算して相続税額を計算し、すでに納めた贈与税があれば相続税からその贈与税を控除する(控除しきれない額は還付)。
  9. 相続財産に加算する贈与財産の価額は贈与時の時価(相続税評価額)による。

精算課税制度の内容

非課税枠2,500万円
贈与税率2,500万円を超える金額につき20%
贈与者60歳以上(注1)(注2)の親及び祖父母
受贈者18歳以上(注1)(注3)の子及び孫
受贈者の所得制限なし
贈与する財産制限なし
適用時期平成15年1月1日以後(恒久措置)

(注1)
贈与の年の1月1日現在で判定します。

(注2)
住宅資金(敷地の先行取得を含みます)について相続時精算課税制度を受ける場合、贈与者(親及び祖父母)の年齢制限がありません。

(注3)
令和4年3月31日以前の贈与については、受贈者の年齢要件の「18歳以上」は「20歳以上」です。